ユーモアはがん患者の健康と幸福に影響を与える効果的な介入である可能性があります。笑い療法についてがん患者を対象にいくつかの研究が行われ、笑い療法が生活の質、回復力、免疫力、不安、抑うつ、ストレスに大きなプラスの効果があることが示されています。
ヨガの一つに笑いヨガというジャンルがあります。笑いヨガはインドの医師マダン・カタリアによって革新されたヨガの一種で、論理的思考に関与することなく心から笑う方法です。笑いヨガは“プラナヤマ”と呼ばれるヨガの呼吸運動を笑いと合わせ名付けられました。化学療法前のがん患者37人を笑いヨガグループと対照グループにランダムに分類して笑いヨガの影響をみたところ、笑いヨガは化学療法前のがん患者のストレスを軽減することに貢献しました。
2017年に大阪国際がんセンターが実施した40〜64歳のがん患者の生活の質(QOL)に対する笑い療法の効果を評価した非盲検ランダム化比較試験では、笑い療法グループ26人は2週間に1回、7週間にわたって笑いヨガ、落語または漫才に参加しました。この研究は当時ニュースなどにも取り上げられましたが、結果、対照グループ30人と比較し短期間に有意に認知機能に優れ、痛みが少ないことを示しました。
また、化学療法を受けた胃癌あるいは結腸直腸がん患者を対象とした土浦協同病院で実施した試験では、スマイルサン法という笑い療法の介入により、特に結腸直腸がんの患者で免疫力の増加を示しまし、笑い療法を受けなかった患者グループの免疫力は低下を示しました。
“笑い”がNK細胞を活性化して 体の免疫力をアップする!
血行促進や記憶力アップ… “笑い”のプラス効果はいろいろ
笑うと免疫力が高まるだけでなく、ほかにも体にさまざまな良い効果をもたらすことがわかっています。
(1)脳の働きが活性化
脳の海馬は、新しいことを学習するときに働く器官。笑うと活性化されて、記憶力がアップします。また、”笑い”によって脳波のなかでもアルファ波が増えて脳がリラックスするほか、意志や理性をつかさどる大脳新皮質に流れる血液量が増加するため、脳の働きが活発になります。
(2)血行促進
思いきり笑ったときの呼吸は、深呼吸や腹式呼吸と同じような状態。体内に酸素がたくさん取り込まれるため、血のめぐりがよくなって新陳代謝も活発になります。
(3)自律神経のバランスが整う
自律神経には、体を緊張モードにする交感神経とリラックスモードにする副交感神経があり、両者のバランスが崩れると体調不良の原因となります。通常起きている間は交感神経が優位になっていますが、笑うと交感神経が促進し、その後急激に低下することにより、リラックス効果をもたらすので、交感神経とのスイッチが頻繁に切り替わることになり、自律神経のバランスが整います。
(4)筋力アップ
笑っているときは心拍数や血圧が上がり、呼吸が活発となって酸素の消費量も増え、いわば”内臓の体操”の状態。静かに過ごすより笑っているほうが、カロリーの消費量が多くなります。さらに、大笑いするとお腹や頬が痛くなるように、腹筋、横隔膜、肋間筋、顔の表情筋などをよく動かすので、多少ながら筋力を鍛えることにもなります。
(5)幸福感と鎮痛作用
笑うと脳内ホルモンであるエンドルフィンが分泌されます。この物質は幸福感をもたらすほか、”ランナーズハイ”の要因ともいわれ、モルヒネの数倍の鎮静作用で痛みを軽減します。
https://kenko.sawai.co.jp/healthy/200908.html
大阪国際がんセンターが吉本興業などの協力を得て、月2回程度、漫才や落語を見る前後で血液と唾液の検査を実施して、患者にかかるストレスや免疫細胞の変化を調べるという。
反復した「笑い」が、がん患者の免疫機能や生活の質(QOL)の指標などに与える影響を明らかにすることを目的として行ったらしい。
oici.jp
大阪国際がんセンター
https://oici.jp/hospital/column/interview03/
地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター
その結果も発表されています。
研究グループによると、昨年5~6月に公演を4回見たグループは、がん細胞を攻撃するナチュラルキラー(NK)細胞などが増加。免疫を高め、がんを抑える作用を持つたんぱく質「インターロイキン12B」を生み出す能力も、平均で健康な人の1.28倍から1.66倍に向上した。
生活の質(QOL)を尋ねたアンケートでは、特に痛みの症状の改善がうかがえた。笑いを楽しんだ後の気分を調べると、緊張や抑うつ、怒り、活気などの項目で改善が見られた。
このような実験は、1992年に大阪なんばの「グランド花月」で、倉敷の「すばるクリニック」伊丹仁朗医師が行った実験がはしりです。
心のありよう、メンタルな部分がNK細胞などの免疫細胞を活性化する、免疫システムと心とは相互に影響しあっているということです。
「笑い」でがんが消えることがあるのか? 断定はできないが、少なからず発生している奇跡的な治癒例は、精神的な部分が影響しているはずです。それがどのような条件の時に、免疫システムのスイッチを押して一気にがん細胞を消滅させるのか、人類はまだそこまでの免疫システムを理解しきっておりません。
自分でも「笑い」の効果を確かめれば良いと思います。恥ずかしければ大笑いしなくてもいいのです。心のなかでニコッとする。顔だけでも笑っている表情にする。それだけでナチュラル・キラー(NK)細胞が活性化し、免疫力が高まります。ナチュラル・キラー細胞はがん細胞にとってはいちばんの強敵です。
コロナの影響で今年は中止になったけど、『いのちの落語』の樋口強さんも「笑いは最高の抗がん剤」と言っています。
https://cancer-survivor.jp/2020/09/17711.html
「笑いにがん治療効果」医学的に立証された!ストレス軽減し免疫細胞が活性化
https://www.j-cast.com/tv/2018/10/25342050.html?p=all
https://dm-net.co.jp/calendar/2018/028136.php
https://www.youtube.com/watch?v=a1RP96k3O3M
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/warai-kenko/waraitokenko.html
https://immu.ganno-clinic.jp/immunotherapy/smile-autonomic-nerve/
https://www.amazon.co.jp/dp/4006030304?tag=kinosita1316-22&linkCode=ogi&th=1&psc=1
https://www.huffingtonpost.jp/2017/01/25/comedy_n_14408678.html
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